年初来高値更新のドル円、類似点と相違点からのフラッシュクラッシュの発生リスクは |
類似点 | 相違点 | |
市場環境
※図表1参照 |
①本邦個人投資家を含む市場参加者の減少 ②円のショートポジションが溜まっている ③米国の重要指標(ISM、雇用統計)の発表 |
①米株上昇と円安(現在)、米株下落と円高(クラッシュ時) ②米金融政策の発表(今回) |
外部環境 | ①日本のまとまった連休 ②祝賀ムード ③月末・月初 |
①本邦通貨当局の警戒 ②日米通商協議 ③日米首脳会談 |
円のポジション状況(IMM) ※図表3参照 |
①円のショートが約9万枚 ②円のロングはほとんど変化していない |
①円のショートの数量が9週連続で増加中(現在) ②円のショートが直近1か月以内で10万枚を超えていない(現在) |
フラッシュクラッシュ発生の特徴
今年1月のフラッシュクラッシュに限らず、原因(材料)がないときのクラッシュのパターンにはいくつかの特徴があります。
◇日本時間の朝に起こりやすい NYクローズ前後で市場参加者が少なく、相場が動きやすい。
◇ポジションが偏っている通貨で発生しやすい 2015年のスイスフランショック(スイスフランが急騰)、本年のフラッシュクラッシュ(円が急騰)など
◇急落は数段階で収束 ストップロスなどの内部要因が主のため、投げが一巡した後は自律的に下げ幅を縮小するケースが多い。
これらの特徴を押さえて、①資金を厚くする、②ポジションの一部を縮小する、③指値やストップロスを事前に設定するなど対策を事前に考えておくとよいでしょう。 |
【参考】1/3のフラッシュクラッシュ
2018年12月中頃からの米株価下落に伴う円高が進行、年明けの1/2には、アップルの業績下方修正の見通し受けたリスク回避の動きなどでて、トルコリラがストップロスを付けて下落、市場参加者が少ない日本時間朝方だったこともあり、7:35付近から約5分間にドル円では4円程度、円が急騰しました。 詳しくは「不安定な投資家心理は円買いを志向?」レポート(PDF)へ。
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